根が
ゲラなもので、笑いをこらえるのに必死です。
ゲラというのは、関西地方で言うところの「しょうもないことでもすぐ笑っちゃうヒトまたはその性分」のことです。
ゲラでない方にはなかなか想像に難いかもしれませんが、
笑いを抑えるためには、とても大変な労力が必要です。年末恒例になった、ガキの使い「笑ってはいけないシリーズ」はその好例でありましょう。
日常でも「笑ってはいけないシーン」にはよく出くわします。
さほど親しくはなかった方のお葬式でした。弔辞を読む段になり、代表の方が名前を呼ばれました。
星一徹に似たその方は、サッ!と立ち上がったと思うと一言。
「へぇ」
そして、また座りました。
荘重な雰囲気の中、
ズン!と笑いのボディブローが入り、その後はこらえるのに必死でした。自己弁護ではないですが、ここには
大きく3つの笑いポイントがあります。
1)まず、星一徹似である。
2)返事が町人である。
3)一度立ったのに、なぜ座る。
笑いを迫ってくるような場所に身を置かないのが合理的とも思えますが、
ゲラ人間の最大の敵は「己」であります。悪いのは場とかじゃなくて、自分。
ゲラ人間にもいくつかありまして、
1)単純に笑いの閾値が低い。
2)自分で笑いを発生させてしまう。
(1)は
コロッケの変顔レベルで爆笑してしまうヒトです。ある種幸せとも思えますが、何を食っても「美味い」を連呼するヒトのように、深遠なる笑いの世界の全貌を知ることができないという点では手放しで喜べません。
やっかいなのは(2)です。
本来の文脈から離れて笑ってしまうので、時と場合によっては相手に失礼だったり、さもなければ、病気?変態?と思われてしまう。
たとえば、こんな場合です。
徹夜明けの作業後にプレゼン。相手先の偉い人が疲れた表情の僕をねぎらうつもりで
「シリアルな顔をして、大変だったんだね」
とやさしい顔で言ってくれた・・・のにプッ。
僕の頭の中には瞬時に
頭部がコーンフレークになった自分が浮かびます。
やさしい気持ちから生まれたものだけに・・・惜しさ100倍。それを言うなら「シリアス」やろ。そういえば、
シリアスって「尻・ass」で、同じ意味やなあ、アメリカ人はまったく気づかんだろうけど・・・
クスッ。
と笑ってしまう。なぜ笑うのか、相手には分かりません。不愉快かも。
しかし、上記のような場合はまだ許されるかもしれません。というのも先方の間違いが明解で、それに気づけば済むことだからです。ところが
下記のような場合は完全に自分が悪い。
頭が固く理不尽なクライアント上層部に対して、いつもは尻にしかれたクライアント担当者が一念発起。絶対に自分の信じる案を通すと男気を見せながら一言。
「くそ〜、こうなったら大塩平八郎の乱や!」
と言っただけなのにププッ。
信念を貫くのだ。その例えでしょう。とくべつ間違ったことは言っていません。
ただ、
なぜこのタイミングで大塩平八郎なんだ?という疑問にまず引っかかってしまうところで、ゲラ人間の受難は始まります。
すかさず脳内では
【大塩平八郎の乱】→【大塩平八郎のLAN】と翻訳されます。さらに
【大塩八郎のLAN】→【どうしよ、平八郎のLAN】となって、
パソコンに疎い平八郎がLANケーブルを手に途方にくれているイメージが頭に浮かびます。
さらにさらに
【平八郎】→【Hey!八郎】、【乱】→【LAN】【RUN】となって、
アメリカ人からぞんざいに間違った名前を呼ばれながら、LANケーブルに緊縛されつつがむしゃらにひた走る平八郎という、相当カオスなイメージが浮かびます・・・
多分ゼッケンは1837番なんだろうな・・・って、ほんっと、どうでもいいですね!そんなこと考えなきゃいいのに。
しかし、
笑いをこらえないといけないシーンにおいては、なぜか思考がスムーズに派生してしまい、さらに、どうでもいいことほど笑いを喚起する破壊力が高いのです。
これでは漢気に燃え、固く握った両拳で天を仰ぐ星飛馬的
クライアントに思わず噴き出した代理店担当者という図になってしまい、不都合なことこの上ありません。
こみあげてきた笑いの発作をこらえる時、どうしますか?
1)悲しいことなどを考え、精神的な苦痛で中和する。
2)身体をつねったりして、身体的な苦痛で中和する。
3)笑いの出口で抵抗する。
(3)の笑いの出口というのは
表情と笑い声のことです。これを抑えるべく抵抗するわけです。
具体的には、唇をきゅっとすぼめて、頬の内側を噛みます。眉と目をすぼめて、渋い顔をします。身体はグッと緊張させて、プルプル震えるのを抑えます。
簡単に言うと、
小林繁・元投手のような顔をするわけです。
小林元投手
saksakは(1)(2)で上手く行ったためしがないので、ギリギリ背水の陣、(3)で急場をしのいでいるのです。ただし、
ことあるごとにこの表情をするのは社会人としてかなりギリギリな感が否めないのは事実です。
吹き出しそうになる笑い声もむだに強敵です。こらえるのに失敗すると、たまりにたまった息が一気にもれ
「く・・・プ・・・クキュ〜〜〜〜〜〜ッ」と怪鳥のような声を上げてしまい、これまた社会人としてはギリギリもしくは逸脱してしまいます。
笑いをこらえるいい方法はないものでしょうか。探しています。ゲラ人間が健全な社会生活を送れるために。